純愛バトラー
「新鋭のインディーズバンドと、お笑い芸人か。正直どっちがいいんだろうなぁ」

 芸能関係の流行にはオレはほとほと疎く、果たしてどちらがいいのか判別できなかった。

 オレの言に対し、長船は
「さぁ」
 と首を傾げるばかり。

 絵理においては言わずもがなで、青司も千沙子もその手の流行には興味がなく、頼れるのは小雪だけという有様だ。

「うーん。小雪の好きなほうでいいの?」

「いいよ。というか、小雪の他に判別できる人間がいないからなぁ」

「やったー☆ じゃあ、小雪ミュージシャンの方がいいなっ」

「あら。随分と簡単に決まったわね」

「だってだって! 小雪このバンド好きなんだもん♪ それにね、今どんどん人気でてるんだよ! 来年になったら呼べなくなっちゃうかも」
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