純愛バトラー
「なるほど。女子限定ではあるが、それを行えば士気高揚にも効果があるやも知れぬ。
 私は開催派に回ろう」

「もう、御剣さんまでそんなくだらないイベントに賛成なの?」

 千沙子は不満顔で絵理を見やった。
 密かに、絵理も反対派に回ってくれるかもしれないと思っていたようだ。

「女子限定、というのがいささかいただけないが、プラスになる事項が多いのだ。無碍に取りやめにしなくても良かろう」

 それでもまだぶつぶつ不満を言っている千沙子に対し、長船がこう切り出した。

「実は、ここだけの話ですが。今年のミス条星は伊勢村先輩が第一候補に上がっているんですよ」

 千沙子の不満がぴたりと止み、驚いた顔で長船に向き直った。
< 255 / 401 >

この作品をシェア

pagetop