純愛バトラー
ツナガリ
予定よりも早く会議が終わった事もあり、屋敷に帰った後はだいぶ時間があった。
絵理は離れに戻るなり、今から自由時間にして良い、とオレに告げた。
「その代わり、外出するなら私も連れて行け」
母と紅葉のところに顔を出そうと思った矢先にそう言われた。
絵理がどのような意図でそう言ったかは解らないが、断る理由もなかった。
あの後、絵理に母が入院している事だけは話したが、どのような状態かまでは話していない。話せなかったのだ。
現実として受け止めてはいるつもりだが、自分から、現在の母の具体的な状態を口に出すのは辛すぎた。
それに、唯一の身内であるオレが、その事実を口にしてしまったら、一抹の望みすらも絶たれてしまうような気がしたから。
絵理は離れに戻るなり、今から自由時間にして良い、とオレに告げた。
「その代わり、外出するなら私も連れて行け」
母と紅葉のところに顔を出そうと思った矢先にそう言われた。
絵理がどのような意図でそう言ったかは解らないが、断る理由もなかった。
あの後、絵理に母が入院している事だけは話したが、どのような状態かまでは話していない。話せなかったのだ。
現実として受け止めてはいるつもりだが、自分から、現在の母の具体的な状態を口に出すのは辛すぎた。
それに、唯一の身内であるオレが、その事実を口にしてしまったら、一抹の望みすらも絶たれてしまうような気がしたから。