純愛バトラー
「まあいいけど。あまり楽しい場所じゃないぞ」

「構わん。どこに行くかは大体想像がつくからな」

 オレの乗り物は、夏休みの間に自転車から中型バイクにランクアップしていた。

 執事としての給料が貯まり、余裕が出てきたので思い切って購入をしたのだ。

 免許自体は一年の時の夏休みに、誕生日が来てすぐに取得してあったので、問題はなかった。

 絵理が街へ行きたいとせがむ時には、電車ではなく、バイクに乗せて連れて行くことが多くなっていた。

「メットはちゃんとかぶれよ」

「言われなくても解っておる。そのために私専用のヘルメットも購入したではないか」

 絵理を後ろに乗せて、病院までバイクを走らせた。
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