純愛バトラー
 まったく……。所構わず暴走するからこっちはヒヤヒヤものだ。

「おい絵理」

「む。どうした」

「助けに入るのはいいけどな、相手が自分より強かったらどうするつもりだったんだ。
 助けに入ってやられてたんじゃ、カッコつかねぇ上に、迷惑がかかるって考えなかったのか?」

「奴の立ち居振る舞いを見れば、どの程度の腕かおおよそ想像はつく。それに……」

「それに?」




「向こうは一人、こちらは三人だ。たとえ凶器を持っていたとしても数で圧倒できるだろう。違うか?」

 陣が助けてくれるだろう? とか言う台詞を期待したオレは、やっぱり大馬鹿だと思う。

 美女はそんな様子を見てくすくすと笑っていたが、邪魔をしちゃ悪いからと、雑踏の中へ消えて行った。
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