純愛バトラー
 元々、ミスコンの票目当ての女子と、その手の趣味の男子が率先してやってるので、オレみたいに醒めた心境の生徒が無理に手伝わなくてもいいのだ。

 客は圧倒的に男性が多く、やたら大きなリュックサックを背負っていたり、アニメのヒロインがでかでかと描かれたTシャツを着ていたり、待ち時間に携帯ゲーム機を取り出して暇をつぶしていたりと、専門用語で言うところの『大きなお友達』ばかりだった。

「それでは開場しまーす!」

 受付担当の女生徒の声が響き渡り、大講堂の扉が開いた。

 大講堂は、収容数が千人規模のホールだが、列の中ほどまで収容した段階で既に満席になってしまった。

 動画による宣伝効果恐るべし。
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