純愛バトラー
 思っていたよりも早く劇が終わってしまい、再び暇になった。

 校舎の方に移動し、各クラスの出し物を適当にぶらぶら見ていると、純白のロリータファッションの小雪とばったり会った。

 レースとフリルのたっぷりついたドレスを身に纏い、ふわふわのツインテールの真ん中にティアラがちょこんと乗っている。

 手に雪の結晶をモチーフにしたステッキを持っているところを見ると、占い師の衣装なのだろう。

「うふふ~♪ 占い師のリトルスノーです☆
 じん先輩、よかったら占いどうですか~?」

 小雪にロリータファッションというのは、完璧とも言えるほど似合っているが、それ故にどこからどう見ても小学生に見える。

 時計を見ると、まだ時間がありそうだったので少し見ていくことにした。

 2‐Aの教室に行くと、抑えた照明に神秘的な雰囲気の飾り付けがなされていて、やたらとレースやフリルのついたゴスロリ系ドレスを着た女生徒たちが、客を前に占いをしていた。

 占いに使われている机は、一つ一つ布で仕切られているので、隣の様子が目に入って気が散るという事もなさそうだった。
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