純愛バトラー
 占いはいいんだが、教室の一角に『撮影場所』なる札がかかっていて、そこに大きなお友達が列を作っている。

「何アレ」

 端的に小雪に尋ねると、小雪はニコニコしながら答えた。

「あれね、ゆうちゃんのアイデアで、占いの他に、一枚百円で魔女と写真を撮るっていう出し物も付け加えたの~☆
 せんせーにちゃんと許可は取ったよ♪」

「そうなのか……。よく許可出たな。そんなあこぎな商売」

 オレがそう言うと、小雪はにひひ、と笑った。

「最初は駄目って言ってたんだけどぉ。るみちゃんがデートできなくて淋しいって言ってたの思いだして、るみちゃん悲しませたらだめだよって言ったの☆
 そしたらせんせーすっごい慌てて。だめ元でもう一回お願いしてみたら、申請許可してくれたんだっ」

「……るみちゃんて誰」

「クラスの友達☆」

 ……小雪め、ナチュラルに担任を脅迫しやがったな。
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