純愛バトラー
 夕食を終えて離れに戻ると、絵理は早速、今日買った筆記用具を取り出してなにやら書き始めた。

 お茶を持ってくるように言われたので、給湯室という名の離れのキッチンスペースへ行き、ハーブティーを淹れた。

 レモングラスをベースに、レモンピールとレモンバームをブレンドする。

 お湯の温度、蒸らし時間はほぼ完璧。

「どうぞ」

「うむ。ご苦労」

 そう言って茶を一口啜(すす)る。

「……美味いな」

「当たり前。誰が淹れたと思ってるんだ」

「これは、レモングラスのドライハーブに、レモンバーム、レモンピールを少々か。ブレンドに使用しているハーブ自体はそう珍しい物ではないが、配合比が素晴らしい。正直、陣にこれほど美味い茶を淹れる才能があるとは思わなかった。感服したぞ」

 手放しに褒められて、悪い気はしない。
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