純愛バトラー
 絵理はオレを見上げて目を丸くした。

 まさかこんな返答が返ってくるとは思っていなかったのだろう。

「その申し出はありがたいが……。陣のクラスの出し物は良いのか?」

「自分の割り当てはもう終わった。
 まあ、絵理のクラスのメイド喫茶は客として入ろうと思ってたから、戻ってきたらちゃんと交代してくれよ」

 オレがそう言うと、絵理の顔がぱっと輝いた。

「陣。そなたは本当に頼りになるな!
 了解した。一緒に来てくれ」

 頼りになると言われて、すっかり気をよくしたオレは、そのまま絵理に手を引かれて1‐Aの教室へと向かった。
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