純愛バトラー
「皆の者! 助っ人を連れてきたぞ!」

 絵理はスタッフスペースに足を踏み入れると、声を張り上げた。

 そこにいるのは女生徒ばかりだったが、メイド服は誰も着ていなかった。

 代わりに着ていたのは、執事服。

 オレはたまらなく嫌な予感がした。

 女生徒達が振り返り、オレと絵理に駆け寄ってきた。

「ナイスよ、御剣さん! って、きゃああああ!」

 いきなり悲鳴を上げられた。

「陣さ……じゃない、草薙先輩っ!? 助っ人って、本当ですか?」

 そういえば、こういう反応って随分久しぶりのような気がする。
 女生徒の勢いにやや圧倒されて、オレは曖昧に笑って頷いた。
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