純愛バトラー
 再びスタッフスペースに戻ったオレの姿を見て、女生徒達が歓声を上げた。

「オッケー! オッケー!! オォォッケェェエェェェ―――イ!!!」

 委員長が、なにやら興奮した様子でガッツポーズをとっている。

「ほう。うまく化けたな。やはり元が美しいと、どんな服を着ても似合うとみえる」

 そう言った絵理は執事服に着替えていた。

 髪を後ろで一つにまとめ、前髪を少し残してオールバックにしたその姿は、瞳の覇気と相まって、貴族の少年のようだ。

 その様子を見ていた青司ことセイラが、面白くなさそうに舌打ちした。

「ま、化粧一つでいくらでも変わるしね。
 これで少しは楽になるといいんだけど」

 青司の言葉には多少の険が含まれていたが、女生徒たちはそれに気付かなかったようだ。
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