純愛バトラー
「セイラちゃーん! 5番テーブルのご主人様からご指名でーす!」

 指名で呼ばれたセイラは、ふふん、と勝ち誇った笑みを残し、5番テーブルに向かった。

 やはり、一見では美貌を誇るセイラに分があるようだった。

 それもそのはず。美人なのは見れば一目でわかるが、紅茶の美味さはオーダーし、飲んでみないと解らない。

 くそ、何かいい方法はないものか。

 ふと思いついて、委員長を呼び止めた。

「なあ、メニュー付け加えることってできる?」

「物にもよりますけど……どんなメニューですか?」

「オレが指名された時に、そのときの気分で淹れるスペシャルブレンドティーってところかな。何が出てくるかわからない分、興味は惹くんじゃないかと思って」

 委員長は少し考え込んでいたが、オレに向かって一つ頷いた。

「面白そうですね! やってみましょうか!」
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