純愛バトラー
 セイラの美貌と、謎メニューに惹かれたのか、だんだんと指名客も増えてきた。

「セイラちゃーん! 2番テーブルのご主人様からご指名でーす!」

「ジニーちゃん、4番テーブルのお客様からご指名よ! 気まぐれティーお願い!」

 気が付くと、外で待っている客も出始めてきた。

「お帰りなさいませ、ご主人様。冥土喫茶☆ファーストキッスへようこそ。メイドの笑顔とご奉仕で、疲れを癒してくださいね」

「本日のオススメはジニーの気まぐれティーです。ご主人様だけの紅茶を、心を込めてお淹れいたします!」

 セイラの美貌に魅了され、ジニーの紅茶に酔いしれたご主人様たちは、一様に満足して帰っていった。

 客が客を呼び、いつしか外には長蛇の列が出来上がっている。
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