純愛バトラー
 後は担当教員が会場のスタッフと打ち合わせしつつ、微調整を行ってくれるはずだ。

「暗くなるのも早くなってきたし、早めに帰るか」

「そうね。私は迎えが来るからいいけど、長船君と烏丸さんは自転車通学でしょう?
 気をつけて帰るのよ」

「は~い☆ ゆうちゃんに送ってもらいま~す♪」

「近所だしね」

 小雪と長船は連れ立って自転車置き場に去っていった。

 空には、雲が低く垂れこめている。
 まだ四時半にならないというのに、外はもう暗くなっていた。

「自転車通学どころか、俺、徒歩なんだが……」

「何言ってるの。寮なんて学校の隣でしょ」

 スルーされたことが不満だったのか、青司がぼそりと言ったが、千沙子はあっさり切り捨てた。

 丁度迎えが来たらしく、千沙子はそのまま高級車に乗り込んで帰っていった。
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