純愛バトラー
 青司の部屋は、簡素というよりも殺風景だった。

 本棚と机と折りたたみ式のベッドしかない。

 机の上にはノートパソコンが置かれていた。

 勿論、冷蔵庫や洗濯機など、生活をするのに必要最低限の電化製品はあったが、これらは元々寮にある備品だ。

 本人が倒れて動けないため、オレが代理でバイト先に休みの連絡を入れ、ずぶ濡れになった制服を脱がし、クローゼットから適当に服を引っ張り出して着替えさせた。

 濡れた髪をタオルでわしゃわしゃと拭き、ベッドに寝かせ、熱が上がってきているので濡れタオルを作り、額に乗せた。

 ひとまずはこれでいいだろう。

 冷蔵庫を適当に物色し、食事を作っていたところで青司が目を覚まし、ベッドから身体を起こして辺りを見回していた。
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