純愛バトラー
「オレだって、信じられなくなった時はあったさ。信じたって言い方すら適当じゃない。
すがりついたんだ。オレは、自分自身のために、母親の延命を選択した。
本人の意思なんか関係なく。
自分でそうしておきながら、現状に耐えられなくなってそこから目を逸らす事もした。
一年ほぼ見舞いに行かずに放置してたんだぜ? ありえないだろ」
こんな事を、誰かに話すのは初めてだった。
オレも青司も家族と呼べるのは一人だけ。
しかもお互いに、その存在はひどく危うく、いつ消えてもおかしくない。
立場は違っていたが、オレ達二人の状況は驚くほどよく似ていた。
すがりついたんだ。オレは、自分自身のために、母親の延命を選択した。
本人の意思なんか関係なく。
自分でそうしておきながら、現状に耐えられなくなってそこから目を逸らす事もした。
一年ほぼ見舞いに行かずに放置してたんだぜ? ありえないだろ」
こんな事を、誰かに話すのは初めてだった。
オレも青司も家族と呼べるのは一人だけ。
しかもお互いに、その存在はひどく危うく、いつ消えてもおかしくない。
立場は違っていたが、オレ達二人の状況は驚くほどよく似ていた。