純愛バトラー
「デートって、こう、遊園地に行ったり、映画見たり、ショッピングしたり、一緒にお食事したり、そういうのかと思ってた」

紅葉がそう言うと、絵理はまたもや腕組みをして悩み始めた。

「……それが、一般的なデートなのか?」

「少女漫画とか見ると、そういうの多いよ」

「そうか……。色々と奥が深いものなのだな」

 オレからしてみれば、絵理と青司のデートの方がよっぽど奥が深い。
 キノコと核戦争と地球再生で盛り上がるデートって一体何だ。

「お兄ちゃんも相当変わり者だけど、絵理さんもそれに負けてないね」

 紅葉がもっともらしくそう言うと、絵理は嬉しそうに笑った。
 そして、しんみりと呟いた。

「良いものだな。こうやって友と語らう時間というのは」

「うん」

 絵理の言葉に、紅葉は笑顔で頷いた。
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