純愛バトラー

SilentNight

 イルミネーションが街を彩り、一年の収束に向けて活気付く。人々はどこか浮き足立った様子で、光で溢れた通りを行き交っていた。

 夕方五時ともなると、既に日はとっぷりと暮れ、夜の帳(とばり)が下りて来る。

 それに呼応するように、地上に飾られた星々が瞬き、躍り始め、冷たい冬の夜を染め上げた。

 今日はクリスマスイブ。

 一年のうちで、最も街が華やかになる日だ。

 学校行事であるクリスマスパーティーも例外ではなく、会場には大きなクリスマスツリーが設置され、色とりどりの光が明滅していた。

 金持ちのパーティらしく、集まった生徒達はみなドレスにタキシードという姿で、今年最後の行事を楽しんでいた。

 小雪の提案で立食式パーティーになったため、クラスや学年の枠にとらわれずに、好きなように楽しめるのがいい。

 既に宴もたけなわで、ビンゴゲームの景品が当たった生徒達が友人と共にはしゃいでいる。

 オレはというと、ゲームの進行をやり終えた後で、適当にデザートをつまんでいた。
< 367 / 401 >

この作品をシェア

pagetop