純愛バトラー
ロビーのテレビの中では聖歌隊がパイプオルガンの伴奏でクリスマスキャロルを歌い続けている。
青司はテレビを恨めしそうに見上げ、近くに置いてあったリモコンを手に取るとすぐさま電源ボタンを押した。ぷつりと歌声が途絶えて冷たい静寂が空間を支配する。
青司はそれきりテレビには目もくれず、重い足取りで携帯使用エリアへと向かい、電話をかけ始めた。
英語での会話が断片的に聞こえてくる。
青司は電話を切り、再び別の場所へかけはじめた。
「紅葉が亡くなりました。……それだけですか? ……はい。……そうですか。……今、何て言った? ……こんな時に言う事か!? ふざけるな!」
静まり返った夜の病院に怒声が響いた。
青司は携帯電話を乱暴に閉じると、そのまま床に叩き付けた。
青司の携帯電話はバウンドした後で回転しながら床を滑り、壁にぶつかって止まった。
肩を震わせ、拳を固く握り締めた後で、青司はゆらり、と顔を上げた。
絵理はそんな青司の前に進み出て、青司の顔を見つめながら言った。
青司はテレビを恨めしそうに見上げ、近くに置いてあったリモコンを手に取るとすぐさま電源ボタンを押した。ぷつりと歌声が途絶えて冷たい静寂が空間を支配する。
青司はそれきりテレビには目もくれず、重い足取りで携帯使用エリアへと向かい、電話をかけ始めた。
英語での会話が断片的に聞こえてくる。
青司は電話を切り、再び別の場所へかけはじめた。
「紅葉が亡くなりました。……それだけですか? ……はい。……そうですか。……今、何て言った? ……こんな時に言う事か!? ふざけるな!」
静まり返った夜の病院に怒声が響いた。
青司は携帯電話を乱暴に閉じると、そのまま床に叩き付けた。
青司の携帯電話はバウンドした後で回転しながら床を滑り、壁にぶつかって止まった。
肩を震わせ、拳を固く握り締めた後で、青司はゆらり、と顔を上げた。
絵理はそんな青司の前に進み出て、青司の顔を見つめながら言った。