純愛バトラー
「せ……いじ」

 解ってたよ。お前の答えは。

「青司に逢いたい。このまま離れたくない……」

 オレは泣きじゃくる絵理を抱きしめる腕に力を込めた。

 その後で、絵理の肩に手を置き、絵理の瞳を真っ直ぐに見た。

「だったら。お前にはやることがあるだろう?

 心配するな。
 お前の背中はオレがずっと守ってやる。

 だから、お前はそのまま前を見て、お前の幸せを掴んで来い!」

 絵理は涙を拭うと、覇気の戻った瞳で真っ直ぐにオレを見て頷いた。

 数ある絵理の表情の中で、オレの一番好きな顔。

「いかが致しますか? 絵理様?」

 そう言って、絵理ににやりと笑ってみせた。

 主はお前だ。ご命令をどうぞ。

「行くぞ、青司のところへ!」
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