純愛バトラー
 オレは絵理に頷くと、そのまま手をとって駆け出した。

 バイクに跨り、エンジンをふかす。

 目指すは条星学園の男子寮。

 この時間なら、青司は出かける前のはずだ。

 見慣れた学校の隣にある、学生寮の目の前にバイクを横付けすると、丁度スーツ姿の青司が出て来た所だった。

「絵理さんに会長? どうして……」

 絵理はバイクから降り、驚いている青司につかつかと歩み寄った。

「青司。私も連れて行け。どうやら私には、そなたを手放すのは無理のようだ」

「連れて行けって……本気で言ってんの?」

 戸惑う青司に、絵理は力強く頷いた。
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