純愛バトラー
「そういえば、もう生徒会長じゃないから、会長って呼ぶのも変ですね。新しい呼び方考えておかないと」

「普通に名前でよかろう?」

「じんさん。じいさん。……爺やでいいか」

「ぶっ殺すぞテメエ」

「ま、普通に名前で呼びますよ」

 そんなやり取りを続けるオレと青司を見て、絵理が感心したように言った。

「そなたらは本当に仲が良いな」

「「良くない!」」

 オレと青司の声がきれいに唱和し、互いに思わず顔を見合わせた後で、思い切りそっぽを向いた。

 絵理はそんなオレと青司を見て、くすくす笑っていたが、ひとしきり笑いが収まると、改まって話し始めた。

「我らが今こうしていられるのは、陣のおかげだ。そなたには感謝してもし足りない。

 陣がいてくれて、陣に出会えて本当に良かった」

 そう言って、絵理はにっこりと微笑んだ。
< 399 / 401 >

この作品をシェア

pagetop