純愛バトラー
 そんな時だった。

「たのもう!」

 ドアの外から聞き慣れた声がする。
 今時、こんな台詞を言う人物は一人しか思い当たらない。
 小雪は机に突っ伏して身悶えしながら笑いを堪えている。

「……絵理さん、道場破りじゃないんだから」

 ドアの外から、絵理をたしなめる声が聞こえる。女性とも男性ともつかない、中性的な声には聞き覚えがあった。

 オレが生徒会室のドアをカラリと開けると、案の定、絵理と青司がいた。
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