純愛バトラー

波乱の足音

 あれから何日か経った。
 新年度の慌しさも落ち着き、いつもの学校生活に戻りつつある。

 絵理は「戦国姫」として、1‐Aの名物になっているらしい。
 同級生には受けがいいようだが、反面、2、3年の女子からはやっかみを受けているようだった。

 原因はオレだろう。

 好意を寄せるのは別に構わない。
 だが、妬みや嫉みで、他人に嫌がらせをする奴は大嫌いだ。

「む……。また手紙が入っておる」

 自分の下駄箱を開け、絵理がつぶやいた。

「またかよ……。くだらねー事する奴って意外と多いんだな」

「うむ。まったく、どれこもれも名前を書き忘れておるな。
 まあよい。詳細は後で見るか」

 悠長な事を言っている絵理から手紙を奪い、オレはその場で開封した。
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