純愛バトラー
 放課後。

 気だるいまま授業が終わり、帰宅時間になった。
 オレも絵理も部活動はやっていないので、生徒会が無い日はすぐに帰宅していた。

 1-Aの教室に迎えに行くと、既に絵理の姿は無かった。
 また図書室にでも行っているのだろう。

 先日も、図書室で『キノコの世界』という怪しげな図鑑を読み耽っており、帰りの車の中では、ずっとキノコの話ばかりしていた。

 北校舎の一番東側にある図書室に行き、絵理の姿を探したが、ここにもいない。

 ……先に帰ったのか?

 いや。そんなはずは無い。

 そういえば。
 今朝の手紙に、校舎裏へ来いって内容の物が無かったか?

「くそっ!」

 思い当たると同時に、オレは校舎裏に向かって駆け出していた。
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