純愛バトラー
戦国姫VSお嬢様
「逃げずに来たみたいね」
目の前の女には見覚えがあった。
入学式の当日に、陣ともめていた女だ。
思い詰めたような表情でこちらを見ている。
「差出人の名前を書くのは、最低限の礼儀だと思うが、まあよい。用件は何だ」
「陣を解雇して。……私に返してちょうだい」
「あやつは物ではないぞ。本人の意思確認もせず、そのような事ができるわけが無かろう」
何かと思えば。この女は話す相手を間違えているようだ。
「で、話というのはそれだけか? 私ではなく、陣に直接言うがいい。戻ってほしいと」
「……話したわ。やめた理由も聞いたわ。でも、陣は答えてくれなかった……!」
「ならばそれが陣の答えだ。私がとやかく言う事ではない」
「……ふざけないで」
女が低くつぶやいた。
目の前の女には見覚えがあった。
入学式の当日に、陣ともめていた女だ。
思い詰めたような表情でこちらを見ている。
「差出人の名前を書くのは、最低限の礼儀だと思うが、まあよい。用件は何だ」
「陣を解雇して。……私に返してちょうだい」
「あやつは物ではないぞ。本人の意思確認もせず、そのような事ができるわけが無かろう」
何かと思えば。この女は話す相手を間違えているようだ。
「で、話というのはそれだけか? 私ではなく、陣に直接言うがいい。戻ってほしいと」
「……話したわ。やめた理由も聞いたわ。でも、陣は答えてくれなかった……!」
「ならばそれが陣の答えだ。私がとやかく言う事ではない」
「……ふざけないで」
女が低くつぶやいた。