純愛バトラー
 目に宿っている光が尋常ではない。

「あなたが悪いのよ……。陣をたぶらかしたりするから」

「言っている意味が解らぬ」

「そのくせ、裏では他の男をはべらせて。最低よ……! 陣を返しなさい!」

「断る」

 女はヒステリックに叫んだ後、私の返答を聞いて大きく眼を見開いた。
 噛んだ唇が紫色に変色している。
 握った拳はわなわなと震えていた。

「そう。あくまでも拒否するのね。……解ったわ」

 女がなにやら合図をすると、柄の悪い男子生徒が複数、物陰から姿を現した。
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