純愛バトラー
「……そうであったとしても」

 瞳の色が、驚きから真摯に変わると、絵理の唇から言葉が漏れた。

「そうであったとしても、陣を守るのは主人である私の役目だ。
 そなたは、初めての私だけの執事だ。
 守りたいと思ったのだ。
 ……おかしいだろうか?」


 絵理の瞳から視線が外せない。


 だから、そんな真面目な顔で、男が女を口説くような台詞を口にするんじゃねぇっての。

 どう答えていいか解らなくなるだろうが。
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