世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】



写真から視線を外して、詳細に目をやる。




黒沢明良、15歳。

海星中学、高校出身。


――――――海星と言えば、御三家と呼ばれる日本のトップ3の学校の一つ。

名門と言われる、歴史ある男子校だ。


しかもあろうことか、奴はその海星中学にダントツ一位で合格。

それから転校まで、トップの座を保ち続けていたらしい。


……言ってみれば、ここでいう俺のような感じだ。

教師からの信頼も、相当厚かったと書いてある。


尚更転校の理由がわからないが、俺には関係ないし、興味もない。




その他にもいろいろ書いてあったが、俺は適当に目を通して履歴書をしまった。

もう、見ることはないだろう。


「何かあったら、俺以外の奴に聞けよ。
 これ以上の面倒はごめんだからな」


……俺は忙しいんだ。

こんな奴に構っている暇はない。


そんな意味を含めて冷たく言い放っても、奴は無表情のまま。




……………イラッ。


「わかったら早く出て行け。
 もう用は済んだだろ」


俺はあからさまに顔を歪めて、奴を追い払った。

そんな扱いに対して、奴は何も言わない。

ただ冷たい目で、部屋を出る瞬間まで、俺を見ていた。






「っ。」




静けさを取り戻したこの部屋で、俺は下唇を噛んだ。




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