世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】
「ふーん。
ま、どーでも良いけど」
「なっ」
麻耶子は白い目で俺を一瞥すると、長い髪を揺らしながら自分の席に戻った。
…………あの野郎、自分から絡んできたくせにどうでも良いとか言いやがった。
いつものこととは言え、俺の苛立ちを募らせるには十分だった。
キーンコーンカーンコーン。
チャイムが鳴り、ハイエナ共はたちまち散っていった。
授業が始まっても、俺の視線は黒沢を見据えたまま。
ピンと真っ直ぐに伸びた背筋が無性に腹立たしくて、蹴ってやりたい衝動に駆られる。
「712年に古事記、720年に日本書紀が…」
いつもならきちんとノートに書き写す授業の内容も、今日は聞く気すら起きない。
そうこうしている内に授業は終わってしまい、何も得られないまま、放課後を迎えた。
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