世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】
振り向いた黒沢は、
「……なんだ?」
相変わらず偉そうな口の聞き方。
加えて、“またお前か”とでも言いたげな表情。
そんな奴の態度に、俺は再び苛立ちを覚えた。
……が、そこはグッと堪えて、悟られないよう余裕の笑みを浮かべる。
そして、
「どうだ、女にチヤホヤされる気分は?」
と、からかうような口調で言ってやった。
案の定、顔をしかめる黒沢。
予想通りの反応に、思わず口元が緩む。
「あんな奴らにもてはやされるのは、迷惑でしかない」
冷たい目でキッパリと言い切った黒沢を、俺は更に煽る。
「とか言って、本当は満更でもないんじゃねえの?
前の学校、男子校だろ?
この学校に来て、女子に騒がれて……喜ばない方が、どうかしてる」
―――――素直に喜べよ。
笑いながら言って肩に手を置こうとすると、その手は即座に振り払われた。
こいつ…………
「何が云いたいのか知らないが……
俺は、女には全く興味ない」
“女には”という言葉に、妙な違和感を感じて。
「………へぇ。
じゃあ、男に興味がある、とか」
冗談で言った、その言葉に。
「!!」
奴の顔が、微かに歪んだ……
ような、気がした。
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