世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】
完全に、予想外の反応。
しかし次の瞬間には、奴の表情は元に戻っていた。
ほんの一瞬の出来事だった故に、さっきの表情は気のせいだったようにすら思える。
「……下らない冗談はやめろ」
突き刺さる、冷徹な視線。
「下らない、ね。
これ以上からかわれたくないなら、素直に喜んでおけよ。」
邪魔な前髪を右手でかき上げ、俺は視線を跳ね返すように鼻で笑った。
「ま、どうせお前が騒がれるのも今だけだがな。
転校生なんてめったにいないから、珍しがってるだけだ。
今の内に遊んどかねぇと、後悔するぜ」
「遊ぶ?
どういうことだ?」
「は?」
投げかけられた純粋な疑問。
………こいつ、まさか何にも知らねーのか?
「女とする遊びなんて……
セックスくらいしかねぇだろ」
「!!」
ビクリと、体を震わせた黒沢。
おいおい、マジで童貞か?
…………この顔で。
「まぁ、せいぜい頑張れよ」
何も言わない奴の背中にそう投げ掛けて、目も合わせずに横を通った………
その時。
「……………最低だな」
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