恋*クル


“この学校の女子みんなが、おまえにコクったんじゃね?”


いつだったか、いちばん仲の良いヤツが笑いながらそう言ったことがあった。



俺みたいな男のどこがいいのか分からない。

物好きな女の子たちからの告白は、多い時で一日に二回。


悦子に余計な心配をかけたくなかったし、不安にさせたくなかったから。

だから俺は、悦子に言わなかったんだ。



「おまえに心配をかけたくなかったから」

「……隠されると、余計に不安になる。あたし……、いろんな人から言われるよ? 武人に遊ばれているだけだって。あんたみたいなのと、武人が本気で付き合うわけがないって」



泣きじゃくりながら、悦子は自分の携帯を俺に見せた。


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