恋*クル
「……悦子のクラスの女子にか?」
「……うん」
咄嗟に、悦子のクラスへと足が動いた。
悦子を傷つけたヤツを許せない気持ちは、今もずっと胸のおくでもがき続けている。
「やめてよ!」
それを察知した彼女は、俺の制服の袖を力いっぱい掴んで引き止めた。
「今は……、金森くんと別れたからって、みんな悦子と普通に接するようになったの! だからもう……」
「なんだよそれ。ずいぶんと都合のいいオトモダチだな」
「悦子自身が……納得しているからいいの」
彼女の言葉を聞いて、あいつらしいな、と思った。