恋*クル


「で、前の学校のときに付き合っていた、悦子さんっていう彼女とヨリを戻すみたいで……」

「えっ? 彼女!?」

「あのヘタレな武人くんにも、彼女がいたの!?」



二人は、信じられない!って顔で、あたしを問い詰める。

あたしは、ただ「うん」としか答えられなかった。



麗たちとは、何でも話せる関係。

だけど、武人がヘタレ男を演じていることは、今のところあたしと武人の秘密であって。

そのことを、武人の許可もなしに暴露してしまうのはどうかと思った。



「……奪っちゃえ、梓!」



ニッと笑って、麗が言う。


< 132 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop