恋*クル


気合いを入れて自己紹介するあたしに、彼女は一瞬ビックリしたけれど。

すぐに柔らかい笑みを浮かべながら言った。



「はじめまして。和泉 悦子です」

「……えつ……こ……?」



儚げで、女の子って感じの彼女……。

最初にピンときた通り、悦子さんだった。



「いつも武人がお世話になっています」



にこりと笑う悦子さん。

普通そんなこと言われたら、カチンときてしまうのに。

彼女が言うと、なぜか恐縮してしまう。

それくらい、嫌味のない人だった。



「あぁ、いえ、こちらこそ……」


< 142 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop