恋*クル
麗の言葉に、あたしは思わず素っ頓狂な声をあげる。
はっきり振られてこい?
て言うか、武人が悦子さんとヨリを戻した時点で、あたしははっきり振られているじゃんっ。
「武人くんの言葉で、はっきり振られてこないと」
「そんな傷口に塩を塗るようなこと……」
「そうでもしないと、前に進めないよ?」
「………」
“好き”と言ってしまったあたし。
でも、それに対する武人の返事を、あたしはちゃんと聞いていない。
答えなんか分かっているのに――……
「ほら、梓!」
躊躇していると、麗があたしの背中をドンと強く押す。