恋*クル
二、三歩よろめいた後、あたしは大きく深呼吸をして、麗と真千子に言った。
「あたし、絶対に泣くから、また慰めてくれる?」
「……もちろん。朝まで付き合うよ?」
麗たちはにこりと笑って、あたしを見送った。
それからあたしは、麗たちをその場に残して、一人、武人のもとへと向かう。
「……何してんのよ。人のクラスの靴箱の前で」
心臓がドクドクと音を立てているのに、あたしの口調はとても冷ややかだ。
こんな話し方でもしないと、あたしはすぐにでも泣いてしまいそうだったから。
「……梓ちゃんに話があって」
ほら。
やっぱり、あたしの告白に対する返事だ。