恋*クル
*愛ある弁当*
――武人のヘタレ発覚から二週間後。
午前の授業の終わりを知らせるチャイムが、学校中に響き渡る。
お弁当を出したり、学食に走るクラスメートたち。
あたしはその中で、席に座ったまま頭を抱え込んだ。
――十……、九……、八……
目をキュッと閉じて、カウントダウン開始。
「梓ー、学食行こうよー!」
――七……、六……、五……
親友・真千子の呼びかけにも反応せず、あたしはひたすら数える。
「あー、梓はダメだってばー。もうすぐ出前が届くんだからー」
――四……、三……、二……
あたしの代わりに答えた、もう一人の親友・麗(レイ)。
ご自慢のネイルにうっとりしながら、真千子に言っている姿が頭に浮かぶ。