恋*クル
「…………」
「悦子とはヨリ戻したけど、やっぱり無理だって思った。それは悦子も同じだったんだ」
「……悦子さんも!?」
そんなわけがない。
驚いて武人から離れようとしたけれど、今度は武人があたしを離さない。
「俺の家で過ごした数日間、悦子も感じたらしい。俺とのことは、もう思い出になってしまったんだって。家の鍵をうちの学校に返しに来たとき……」
あぁ、あの時……。
悦子さんはあたしに鍵を渡して、武人に会うこともなく、潔く立ち去っていったな。
「俺に会わずにそのまま帰って、その時に思ったんだって。“あたしは前のように武人を好きになれない”って」
「……それじゃあ……」