恋*クル
「――あれ……っ? 江田……??」
大学の正門を出ようとしたとき、驚いたような声が背後で聞こえた。
最初に反応したのは、武人で。
続いてあたしも、ゆっくりと振り返った。
「……い……っ、市橋くんっ!?」
「……市橋……?」
そこにいたのは、中学時代に付き合っていた元カレ……。
でも、付き合っていたことは、とうの昔に思い出になっていて。
あたしは“元カレ”ではなく、“同級生”に数年ぶりに再会したという喜びに包まれる。
「うそーっ、同じ大学だったの?」
「うん。おまえもここだったんだー。いやー、久しぶりだなぁ」