恋*クル
ビシッと言い放ったあたしは、そっけなく踵を返し、ツカツカと廊下に向かって歩き始めた。
“ちょっと、梓ちゃ~んっ!”
あぁ、もうっ。
さっき引き止めたときは、あんなに男らしかったくせに。
あたしをドキッとさせたくせに。
なんだって今は、半べそ状態なのよ!?
男らしさとヘタレのギャップにイライラして。
あたしは武人を振り切って、猛ダッシュで学校を飛び出して行った。
* * * *
武人に告白されたなんて。
しかも、一瞬でも武人にドキッとしたなんて。
いくら親友であっても、恥ずかしくて言えない……。