恋*クル
「あー、あれってさ、三年の先輩たちじゃん!」
「やばいよねー、絶対やばいよねー」
あまりにも焦った様子の真千子と麗。
あたしはお弁当を食べる手を止めて、窓の外へと視線を傾けた。
あ……。
本当にやばいじゃん。
見ると、あたしへのお弁当を手にした武人が、三年の先輩たちにどこかに連れて行かれようとしている。
あの先輩たちは、先生たちも手を焼いている不良グループ。
きっと、ヘタレなイケメン転入生の噂を聞いてカモにしようとしているに違いない。
「たぶん、裏庭に行くんだよ。先生に言いに行った方が良くない?」