恋*クル


はらはらしながら真千子は言う。



「別にいいんじゃないのー? これを機に、あのヘタレが治るかもしれないんだしー」



あたしは呆れたように言いながら、再びお弁当を食べ始める。

麗もまた、楽しげに「荒治療ってわけねー」と言いながら、パックのオレンジジュースをごくりと飲んだ。



「でもさ、ヘタレの武人くんのことだから、追い詰められて自殺……なんて……」



妄想を暴走させた真千子の発言に、あたしの箸が思わず止まる。


考えられなくもない。

あのヘタレのことだから……。

わんわん泣いて、衝動的に校舎の屋上から……ってことも考えられる。


で、武人に付きまとわれているあたし。

そんなことになってしまったら、もちろんあたしにも皺寄せがくるかもしれない。


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