恋*クル
「梓っ?」
冗談じゃないわっ!
勢いよく席を立ったあたし。
教室を飛び出し、猛ダッシュで、あいつらがいると思われる裏庭へと向かった。
別に、武人がボコボコにされようと、あたしの知ったことじゃない。
ただね?
万が一、大変なことになって、それがあたしにまで及ぶのが嫌なんだよ。
あぁ。
もしもこれが、ヘタレなんかじゃなかったら。
あたしは自分のことなんか後回しにして、武人を救いたい一心で裏庭に行っていたに違いない。