恋*クル
翌日、武人はいつもと同じ調子で、あたしにお弁当を届けにやって来た。
「梓ちゃん、今日はさくらでんぶ入ってないよ」
嬉しそうに言う武人。
まるで、主人に褒められるのを待っている飼い犬みたい。
今日のお弁当には、あたしの大好きな唐揚がいつもより多めに入っている。
「……ありがとう」
「梓ちゃん? 食べてくれる……とか?」
いつもと違って、にこりと笑い、お礼をまで言うあたしに、武人は拍子抜けしていた。
「ねぇ、二人でお弁当食べようか」
でも……