恋*クル


いかにも、“なにか企んでいます”って感じのあたしの態度に。

武人は何かを察したらしく……。



「いやっ、俺、今日は同じクラスのヤツと食べる約束していて……」



ひどく焦って、その場を立ち去ろうとする。



「なに? あたしの誘いを断るの? ふううううん。いい根性してんじゃん」



脅しとも取れる、あたしの低い声を聞いて、武人がびくりと体を震わせて立ち止まった。



「いやっ、断るなんて……。うん、食べる、食べよう、一緒に!」



頭をボリボリと掻きながら、武人は引きつりながら無理に笑った。


< 54 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop