恋*クル
あ……っ。
うそ、マジでおいしいっ!
武人の作るお弁当を食べたのは、今日が初めて。
しかもこの唐揚。
申し訳ないけど、お母さんが作ってくれる唐揚よりもおいしい。
冷めているのに、パリッとした食感。ついでに、あたし好みの醤油味。
「あ……梓ちゃん……っ」
隣のヘタレは、唐揚を頬張るあたしの姿に感激してしまったのか、目をうるうるさせて見ている。
「……あんた、どうやって信一くんを助けたのよ」