恋*クル
*弟分、再び*
厚手のジャケットを脱いで、ブラウスに衣替え。
でも、ブラウス一枚もすぐ終わりで、もうすぐ半袖へと移行する。
季節は、初夏。
そして……
――……あたしは、とうとう堕ちてしまった。
「うっわー、マジで美味しい~」
「武人くん、この唐揚、何かコツでもあるの?」
「企業秘密っ!」
お昼休み。
麗と真千子が、武人手作りのお弁当を大喜びしながらつまんでいる。
あたしは頬杖をついて、呆れたようにその光景を見ていた。
「ねぇ、武人くん。あたしにも作ってきてよ~」
武人の唐揚をすっかり気に入った麗が、誘惑するように武人に擦り寄る。
「いっ、嫌だよ。俺は梓ちゃんのためだけに作ってきているんだから」